CCCD 顛末

目次

CCCDとは

CCCD(コピーコントロールCD)は主にパソコンによるデジタルコピーを妨害するために一部のレコード会社が販売した著作権保護機能付きの音楽ディスクのこと。 CCCDを発売したレコード会社は「ほとんどのCDプレーヤーで正常に再生できる」と謳っていたが、CCCDは正規のCDではなく、再生機器のメーカー側は正常な動作を保証していない。 ソフトとハードの両方を取り扱うソニーは2003年の春頃には『最近販売されている<著作権保護技術付きディスク>には、CD規格に準拠していないものもあり、そのようなディスクについては、当社のCDプレーヤーやパーソナルコンピュータでの動作・音質を保証できません。』(※1)と宣言しており、その後もCCCD対応機器などの発売は行っておらず、CCCD発売との整合性が取れない対応に終始した。

佐野元春が当時所属していたレーベル「Epic Records」を傘下に置くソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は、エイベックスや東芝EMIに追従する形で2004年1月以降に発売されるSMEグループの全CDをネットワーク認証型の独自仕様CCCD「レーベルゲートCD2」とする方針を取った。 しかし、実施からわずか1年足らずでこの方針は撤廃されることになり、SMEグループがCCCDで発売したうちの295作品はその後に回収されて正規規格のCD-DA仕様でひっそりと再発売されることになる。 ただし、一部の作品は放置されたままで、佐野がリリースしたCCCDのマキシシングル「君の魂 大事な魂」と「月夜を往け」は通常のCD-DAで再発売されていない。

アーティスト側の動向

SME・エイベックス・東芝EMIという国内3大レコード会社が積極的かつ広範にCCCDを採用(※2)したことで、この動きが他のいくつかのレコード会社にも波及。 2002年から2005年に掛けて、メジャーレーベルに所属するアーティストのうち相当数がCCCD問題に直面したと思われる。 その中で、CCCDは音質的な問題があって採用できないとしたアーティストは山下達郎、浅倉大介、阿部義晴、宇多田ヒカルなど。 違法コピーを食い止めるために導入はやむを得ないとしたのは吉田美奈子やテイ・トウワなど。 いずれにしてもCCCDについて音楽リスナーに説明する必要があると考え、実際に思うところを語ったアーティストは極めて少数だった。 当初、許容できるものと表明していた奥田民生はその後に翻意して、CCCDを揶揄するアートワークなどで反対の態度を示した。

注釈

※1
この文言は2003年春以降に発売されたSONY製のディスクプレーヤー/レコーダー/オーディオコンポ/CDラジカセのカタログや取扱説明書に記載されている他、SonyDriveのウェブサイトのQ&A文書などでも公開されている。
※2
国内最初のCCCDは2002年3月13日にエイベックス・トラックスから発売されたBoAのシングル「Every Heart -ミンナノキモチ-」。 東芝EMIが2005年まで独自のCCCD「セキュアCD」を販売していて、邦楽がCCCDで販売されたのはそのあたりが最後と思われる。 EMIグループは海外ではその後もCCCDを採用した。

シングル「君の魂 大事な魂」

2003年12月17日、CCCD仕様のシングル「君の魂 大事な魂」が発売される。 この時、SMEグループはアルバムへの導入に先立ち、まずは新譜シングルの全てを「レーベルゲートCD2」で発売する方針を取っていた。 したがって「君の魂 大事な魂」がCCCDで発売されることは順当なものではあったが、自身の作品が初めてCCCDでリリースされることについて佐野元春側からファンへのリスク説明や注意喚起などは事前にも事後にも行われていない。 また、「君の魂 大事な魂」の発売に合わせて行われたいくつかのプロモーション(ラジオ番組やトークイベントへの出演)において、佐野は13枚目のオリジナル・アルバム「THE SUN」(この時はタイトル未定)の発売を翌年3月と予告しており、そのCCCD化も不可避と予想された。

一部のファンはSMEが新譜シングルをCCCDにすると発表した2002年11月の時点から佐野作品のCCCD化に反対していて、佐野が本当にCCCDを採用するのかどうかを注目していたところであり、沈黙を貫いたままのCCCDリリースを受けて彼らの間には失望感が広がった。 逆に「時代の流れ」と理解を示す向きもあり、佐野の公式サイトMWSおよびFCサイトmofaのBBSには賛否両論が寄せられる。 ただ、実際のところはCCCD問題に関心を寄せる佐野ファンの数はこの段階ではおそらくはまだ少ない。

コンピレーション・アルバム「Visitors 20th Anniversary Edition」

2004年1月20日、当初CCCDでリリース予定だったコンピレーション・アルバム「Visitors 20th Anniversary Edition」がCCCDを回避して通常のCD-DAで発売されると発表される。 佐野元春の公式サイトMWSがCCCDについて言及したのはこの時が初めてだが、佐野自身のCCCDに関するメッセージは発表されなかった。 MWSが公開した文書によると、発売元のEpic RecordsはCCCD回避の理由 を『既にCD化された音源が殆どである』ためと説明している。

"今回は特例"と釘を刺されたことで3月に予定されている新作アルバム(「THE SUN」、この時はタイトル未定)はCCCDになるという懸念は残ったが、このアナウンスは佐野元春がCCCDで作品をリリースすることは本意ではないという意思表示と捉えることができる。 佐野がいつの段階で何をきっかけにCCCDについて関心を寄せるようになったのかは不明だが、とりあえずこのことでCCCDは避けるのが望ましいという認識がファンの間に広まった。

「Visitors 20th Anniversary Edition」は2004年2月25日にリリース。 CCCDのままであれば2月18日がリリース予定日だった。

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シングル「月夜を往け」

2004年2月7日、佐野元春はDJを務めていたラジオ番組「TOYOTA radiofish」の中で2004年3月10日発売予定のシングル「月夜を往け」の発売延期を発表する。 佐野は番組内で『レコード会社の都合』である旨をリスナーに伝えたが、詳しい理由は語らなかった。 翌週の放送で新しい発売予定日は5月19日と告知されたが、ここでもCCCDについて触れられることはなかった。

「月夜を往け」はタイトル未定の新作アルバムの先行シングルと告知されていたもので、このシングルの発売延期はすなわちアルバムの発売延期も意味していた。 延期の理由は不明のままだが、「月夜を往け」は結局CCCDでリリースされて、この作品がEpic Recordsから発売された最後の作品となる。

ハートランドからの手紙 #163

2004年3月14日、佐野元春はファンから寄せられたバースデイ・メッセージへの返信として「ハートランドからの手紙 #163」を公開する。 この中で佐野は初めてCCCDに対して間接的な表現ながらも嫌悪感を示したが、合わせて違法なデジタルコピーが横行しているインターネットの現状に対しても危機感を滲ませている。

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ライブ・アルバム「in motion 2003 ─ 増幅」

2004年4月12日、Epic Recordsと佐野元春の自主レーベル「GO4」との共同名義にすることでCCCDが回避されるはずだったライブアルバム「in motion 2003 ─ 増幅」が、SMEの意向により発売が延期になると発表された。 3月21日の段階で佐野の公式サイトMWSは同アルバムをCCCD仕様から通常のCD-DAに規格変更して発売すると発表しており、これを再びCCCDに戻すという決定は発売予定日のわずか9日前のことだった。 SMEは「やはり例外は認めない」という強硬な姿勢を示すことになったのだが、発売日が差し迫ってからの度重なる仕様変更にはSME内部にも混乱や逡巡があったことが伺える。

佐野側はこの時、1枚組であることが望ましいライブ作品がCCCDによって2枚組に分割されることが問題だとの見解を示し、CD媒体での発売は中止もありえることを示唆している。 この一件はSMEと佐野の間に何か意見の相違があり対立していることが表面化した唯一の事例となった。

翌日の2004年4月13日、佐野マネジメントとEpic Recordsが協議を持った結果、「in motion 2003 - 増幅」の原盤が佐野側に移管されてEpic Recordsが同作品の発売中止を発表。 「in motion 2003 - 増幅」は佐野の自主レーベル 「GO4」から1枚組の正規規格のCD-DA仕様で発売されることになった。 これにより、同アルバムは一般CDショップの店頭販売やオンライン販売が無くなり、佐野の公式サイトMWS内のオンラインショップ「MWSストア」やファンクラブ「mofa」経由の通信販売、ライブ会場での物販コーナーで取り扱われることになった。 佐野側はパッケージの作り直しとインターネット販売の準備のために日にちを要するとし、当初の発売予定日だった4月21日は通信販売の予約受付開始日となり、商品発送は5月28日からとなった。

なお、販路変更に伴ってGO4レーベルはこの商品の価格を税込3,059円から2,310円へと2割以上下げた。 MWSの最新ニュースが伝えたところによると『スポークンワーズという新しい音楽表現をより多くのリスナーに伝えていきたいため』とのこと。

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注釈

2枚組に分割
SME独自のCCCD規格であるレーベルゲートCD2は、従来のCD用オーディオ形式であるリニアPCMの記録領域を一部削り、空いた部分にパソコン用の圧縮済み音源としてATRAC3形式のファイルを収容するようになっている。 これにより、正規規格のCD-DAの最大収録時間が約74〜80分に対して、レーベルゲートCD2だと約65分しか入らない。 「in motion 2003 - 増幅」は約69分の作品で、CD-DAでリリースすれば1枚組、レーベルゲートCD2だと2枚組という状況にあった。

SMEグループから離脱

2004年4月23日、佐野元春はデビューから24年間在籍したEpic Recordsから独立して新しいレーベルを興すと発表する。 アルバム「in motion 2003 ─ 増幅」の一件により、新作オリジナル・アルバムを通常のCD-DAで発売することは困難であるとの結論に至ったものと思われる。 のちにディストリビューターがユニバーサルミュージックであることが判明して事実上の移籍となった。

これで佐野自身のCCCD問題は急転直下で解決を迎えることになったのだが、佐野はCCCD自体に問題があるという論調はついに取らなかった。 これは長年連れ添ったEpic Recordsの現場で働くスタッフに配慮をしたものと考えられる。

また、Epic Recordsからの最後のシングル「月夜を往け」は独立の発表後にも関わらず予定通り5月19日にリリースされており、SMEと佐野の別離は最終的にはお互いの主張を最大限に尊重した結果だったことを伺わせる。 佐野の公式サイトMWSもSMEの許諾が必要であろうコンテンツを一時的な中断も無くそのまま公開し続けていた。

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DaisyMusic発足

2004年5月22日、佐野元春は公式サイトMWSを通じて新レーベルの名称「DaisyMusic」と新作アルバムのタイトル「THE SUN」を発表する。 Epic Recordsからの最後の作品「月夜を往け」が発売されたその週末だった。

6月3日には「DaisyMusic」の設立を記念して報道および業界関係者を招いたパーティーを東京青山のレストラン 「CAY」 で開催。 佐野の行動は一部のマスコミにCCCD問題に一石を投じるものとして取り上げられた。 この時点でもまだ佐野は独立の原因がCCCDであるとはどの媒体でも明言していなかったのだが、このような形でレーベルを離反するアーティストを世間の反CCCD派は待ち望んでいた空気もあって、ドラスティックに映った佐野の独立は反CCCDを掲げる同業者や評論家、ファン以外の音楽リスナーからも多くの賛同を集めることになった。

7月21日、佐野の13枚目のオリジナル・アルバム「THE SUN」はDaisyMusicレーベルから通常のCD-DAで発売される。 先行シングルとアルバムが競合する別々の会社から発売されるという特異なケースとなった。

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注釈

一部のマスコミ
朝日新聞2004年6月5日東京版夕刊の記事見出しは『佐野元春、独立し通常盤制作 アーティストに広がる「反CCCD」』。

SMEがCCCDを全面撤廃

2004年9月30日、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)がCCCD仕様での新譜販売を11月で終了するとの発表を行う。 9月17日にエイベックスが『コピーコントロール機能の有無を商品に応じて弾力的に決定していく』と発表しており、SMEの決定はまたしてもこれに追従する形となった。

SMEはCCCD撤廃の理由を『著作権保護に対して、多くの音楽ユーザーの意識が高まり、一時の混乱期を脱したと判断されるとともに、法的環境の整備も進んできました。』としているが、これはSMEが自社の面子を守るための表向きの説明であると言わざるを得ない。 CCCDにはPCでの複製を妨害するためのエラー信号がわざと挿入されているため、これが音質劣化を招くとして、一部の音にこだわるアーティストやユーザーの理解が最後まで得られなかった。 また、CCCDには期待されるようなコピー防止の効果がほとんど無いという実情もあり、エイベックスの事実上の撤退宣言によってSMEもここで手を引かざるを得ない状況にあったのだろう。

4ヶ月前の佐野元春の独立は、SMEに対してだけでなく業界全体の脱CCCDの機運を高めるひとつの要因になったと考えられる。 公正取引委員会も問題視するなど様々な物議を醸したCCCDはこれで終息に向かうことになった。

もし、CCCDが原因で佐野がSMEから独立したのだとするならば、SMEがCCCDを撤廃したことで佐野との間に生じた齟齬は解消されることになる。 実際に、2005年の暮れから旧譜の復刻企画が「Motoharu Sano Archives 1980-2004」シリーズとして復活し、その商品開発に佐野は積極的に関与していく。

外部リンク

注釈

エイベックス
エイベックスのCCCD弾力運用の決定はこの頃起きていた内紛の終結と社長交代による影響もあると言われているが、内紛の争点のひとつにCCCDがあったのかどうかは不明。
表向きの説明
実際問題としてはこの後もCDの売り上げの減少は続き、楽曲の違法ダウンロードは増加傾向にあった。 法的整備については2010年1月1日に、いわゆる「ダウンロード違法化」を盛り込んだ改正著作権法が施行されたが、2004年の時点で有効な法的環境の整備などは無かった。
コピー防止の効果がほとんど無い
CCCDから音楽データだけを抽出する方法(リッピング)はPC系の雑誌が盛んに取り上げて広く知れ渡っていた。 文部科学省も「CSSは技術的保護手段に当らない」という見解を示していて、ユーザーによるコピーコントロール機能の無力化は法的に規制する手段もなかった。

ブロガーミーティング

2007年10月29日、佐野元春の公式サイトMWSが第一回「佐野元春ブロガーミーティング」という非公開イベントを開催した。 このイベントの内容はいわゆる有力ブロガー(alpha blogger)と呼ばれる人たちにMWSの最近の取り組みを自由に評価してもらうというもので、佐野自身がプレゼンテーションを行っている。 この中で佐野はSME離脱の経緯を述懐し、CCCDを巡る問題が大きな理由であったことを初めて認めた。 佐野自身がCCCDについてはっきりと語るのはこれが初めてで、当時、CCCD回避のためにSMEの上層部と水面下で折衝があったことなどを明かしている。

このミーティングについてはMWS上での詳細なレポートは無く、参加したブロガーのブログが情報媒体となっている。 記事の扱い方は掲載不掲載を含めてミーティングに参加した各ブロガーの裁量に委ねられているものの、そもそもMWSがどういった基準で参加ブロガーを選んだのかは不明である。 参加ブロガーたちは熱心な佐野元春ファンというわけではないし、CCCDについて特段の関心を持っていたというわけでもなさそうである。

また、佐野が何故この場とこのタイミングでCCCDに関する見解を表明したのかについても判らない。

外部リンク

MWS内のブログエントリー

COYOTE - 第一回「佐野元春ブロガーミーティング」開催される - Moto's Web Server
当初のエントリー内容では参加したブロガーは11名とだけ説明されていて具体的なブロガー名は公表されていない。 掲載されているリンクやトラックバックはブロガー側の記事が公開されたのちにおいおいと追加されていったもので、何らかの約束があって掲載されているものではないと思われる。 また、MWSスタッフが勘定に入っているのかどうかが判らないので、参加はしたものの記事をエントリーしていないブロガーもいる可能性がある。

ミーティング参加者のブログエントリー

各ブロガーがエントリーで使用している会場内の写真はMWSが用意した共通のものを使用。 撮影や録音は許可されていなかったようだ。

ブロガーミーティング開催のアイデアは、この企画を発案した人がアップルのやり方を参考にしたものと思われる。佐野は2007年6月12日にアップルストア銀座でトークイベントを開催しており、この時にアップルが数名の有力ブロガーを招待していた。

SMEと佐野元春の動向一覧

佐野元春とSME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)の最も大きな争点はアルバムをCCCD仕様とするかしないかということであったようだ。 結果、アルバムについては1作品もCCCDとはならなかった。 シングルについても争った形跡が見えるが、2作品がCCCDで発売されており、佐野側が妥協したと考えられる。

※「Epic Records」は佐野がデビュー以来在籍していたSME傘下のレーベル。

2002.11.20SMEが独自CCCDであるレーベルゲートCDの採用を発表。 ソニーはCD-DAのライセンサーなので、本来であればCCCDのようなライセンス違反は認めないという立場のはずだが、この頃にCD-DAに関する諸々の特許技術の期限が切れるという事情があり、次のデファクトスタンダードを掌握するためにレーベルゲートを推進するということになったようだ。
2003.01.22この日よりSME傘下のレーベルから発売される邦楽12cmシングル(Maxi Single)全タイトルがレーベルゲートCD仕様になる。 パソコンでの再生や複製は認証の為にインターネット接続環境が必要に。 一部のアルバムにも実験的に導入される。
2003.11.06この日よりSME傘下のレーベルから発売される邦楽12cmシングル(Maxi Single)がバージョンアップ規格のレーベルゲートCD2仕様になる。 インターネット接続環境の無いパソコンでも再生が可能になるが、複製については引き続きオンラインでの認証作業が必要。 翌年1月下旬からのアルバムへの導入も告知。
2003.12.17佐野のニューマキシシングル「君の魂 大事な魂」がEpic RecordsからCCCD仕様(レーベルゲートCD2)で発売される。 CCCD仕様になったことについて、ファン及び購入者に対して事前事後の説明は無し。
2004.01.21この日よりSME傘下のレーベルから発売される邦楽アルバム全タイトルがレーベルゲートCD2仕様になる。 シングルとアルバムのすべてがCCCD仕様に統一される。
2004.02.07佐野は自身がDJを務めるラジオ番組の中で、3月10日に発売予定だったシングル「月夜を往け」の発売延期を発表する。延期の理由は『レコード会社の都合』と説明されたが詳細な理由は不明。
2004.02.25当初、CCCD仕様で発売予定だった佐野のコンピレーション・アルバム「Visitors 20th Anniversary Edition」がCCCD仕様を回避して通常のCD-DAでEpic Recordsから発売される。 佐野の公式サイトMWSは「Epicレコードジャパンからお知らせ」を公開してCCCD回避の経緯を説明した。
2004.04.124月21日に発売予定だった佐野のライブ・アルバム「in motion 2003 ─ 増幅」の発売延期が公式サイトMWS上で発表される。 このアルバムはSMEと佐野の自主レーベル「GO4」の共同名義にすることでCCCDを回避するという約束になっていたが、SMEが意を翻し、同アルバムをCCCD仕様で発売するよう変更を求めた。 佐野側はこの求めに対してアルバムの発売中止も示唆。
2004.04.13佐野の公式サイトMWSは前日に発売延期が発表されたライブ・アルバム「in motion 2003 ─ 増幅」をSMEとの共同名義ではなく佐野の自主レーベルから単独で発売すると発表する。 これにより同アルバムはCCCDを回避したが、一般店頭販売がされないことになった(通販やライブ会場の物販コーナーで販売)。
2004.04.23佐野は公式サイトMWSを通じてEpic Recordsから独立して新しいレーベルを興すと発表する。
2004.05.19佐野のニューマキシシングル「月夜を往け」がEpic RecordsからCCCD仕様(レーベルゲートCD2)で発売される。 当初は3月10日発売予定だったものだが、延期の理由は結局明かされなかった。 このシングルが佐野がEpic Recordsからリリースした最後の作品となった。
2004.05.22佐野は公式サイトMWSを通じて新レーベルの名称「DaisyMusic」と新作アルバムのタイトル「THE SUN」を発表する。
2004.06.03佐野は「DaisyMusic」の設立を記念して報道および業界関係者を招いたパーティーを東京青山のレストランで開催。 同パーティーには外資系最大手のレコード会社・ユニバーサルミュージックの社長兼CEO・石坂敬一が出席し挨拶を行った。
2004.07.21佐野の13枚目のオリジナル・アルバム「THE SUN」がDaisyMusicレーベルから通常のCD-DAで発売される。
2004.09.30SMEが方針を転換し、独自規格のCCCDであるレーベルゲートCD2の廃止を発表。 翌月より段階的に廃止を始め、 11月17日以降に発売される新譜はすべて通常のCD-DA仕様になった。
2005.07.27SMEは独自規格のCCCDであるレーベルゲートCD2で発売されたアルバム105タイトルを回収し、新品番のCD-DA版に置き換えを開始。 置き換えについての正式なアナウンスは無し。
2005.10.26SMEは独自規格のCCCDであるレーベルゲートCD2で発売されたアルバムとシングル190タイトルを回収し、新品番のCD-DA版に置き換えを開始。 置き換えについての正式なアナウンスは無し。 この中には佐野がCCCDで出したシングル2作品は含まれていない。
2007.07.17SMEは独自規格のCCCDであるレーベルゲートCD2の複製のためのオンライン認証サービスの終了を発表。 翌2008年3月31日をもって同オンライン認証サービスを終了。

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